Vol.104-1
巻頭言
異業種に聞く
「元気をくれる大切な言葉」


紹介してくれた人
中島 絵里
月の丘訪問看護ステーション 所長
看護師、保健師、公認心理師、愛犬家
活動内容
訪問看護師として在宅医療での経験を活かし、2026年4月に訪問看護ステーションを開設。利用者宅への訪問業務を続けながら、はじめての管理者業務に日々奮闘中。
月の丘訪問看護ステーション
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道をひらくのは自分
様々な人のご支援の中、「月の丘訪問看護ステーション」を立ち上げ、2026年4月1日に無事オープンを迎えました。ご利用者様、ご家族様、医療機関の皆様やケアマネージャー様に信頼される事業所を目指して、新たな一歩を踏み出しました。
事業所の新規開設や管理者としての業務は初めてのことばかりですが、「道をひらくためには、まず歩まねばならぬ」のとおり、大変さもありますが前進することで今日に繋がる道がひらいてきたと感じています。
人が「大変だ」ということを、私はあまりそう感じないようです。それよりも、「まずは動いてみよう」「前進してみよう」と思います。性格なのかもしれませんが、やはり心にこの言葉があり、実際に道がひらけた経験があるからだと思います。
ひとりで立ち止まっていてもアイデアはなかなか出てきませんが、動くことで思わぬことからヒントを得られたり、誰かが助け舟を出してくれる。何度もそんな経験をしてきました。

訪問看護に見出す光
看護師、保健師の免許を取得後、総合病院の消化器科で勤務しました。その中で、退院する患者様が在宅へ戻る際の看護・医療の連携の重要性に気づき、安心して在宅へ戻るためにはどうアプローチすればよいのか、を考えるようになりました。そんなとき、退院支援カンファレンスのため来院した訪問看護師さんが「ご自宅でお待ちしています」と声をかけたときの患者様の笑顔が、今でも忘れられません。
病院勤務では、多くの患者様の看取りを経験しました。ご自宅で最後を迎えたいという希望が叶わない患者様が多いこと、また診療の補助行為で否応なしに機械的になることに疲弊し、一度在宅看護の世界に触れてみたいと思うようになりました。
その後、新卒看護師の教育にも課題を感じることがあり、看護系の大学院に進学。研究活動と同時に看護学部の在学生と関わったり、訪問入浴やデイサービスでの業務を経験しました。
そして看護師の専売特許である「療養上の世話」への探求心が大きくなり、訪問看護の世界へと踏み出すことになりました。
所属した事業所の管理者、先輩方の仕事ぶりや考え方に影響され、苦痛を与えないことはもちろんのこと、ご利用者様がその人らしい日々をご自宅で快適に過ごすための看護、そしてご家族や生活環境などに寄り添うことを学びました。
今、新たな事業所を立ち上げ、ご利用者様主体の看護をモットーに、この地域で、なくてはならない事業所を目指しています。

人びとに「運」を届けたい
何か思い悩んだとき、壁にぶつかったときは、ついつい立ち止まってしまいます。そんなときこそ、「歩むこと」を意識しています。 今回の事業所開設や管理者業務のように、初めてのこと、経験のないことを「避けた方が楽」だと思いますが、ほんの少し勇気を出して踏み出すことで、案外道はひらけるものだと実感しています。
高校の恩師に「ひとりでじっくり思考することも確かに大切だが、みんなの話や意見を集めることはもっと大切だ」と言われたことがあり、これもまた大切にしている言葉です。
私は常々、人に恵まれていて運が良いと思っています。「運」は文字どおり「運ぶ」ものです。私は自分が歩むことで、誰かに「運」を届けられる存在になれたら、と願いながら生きています。
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