2014.1

~口腔機能は生きる基本~


「明けましておめでとうございます。お正月はいかがでしたか?お年玉をもらった方はいますか?」と高齢者に伺うとドッと受けた。味を占めて公共または民間スポーツ施設の中高年対象の6クラスに対して、同じように聞いてみた。どのクラスも2~4人程度の方が挙手された(参加人数は30~50人程度)。それを見て挙手できなかった人は、「ええな~。今年も出すばかりで懐が大分、寒くなったわ…」と口々に嘆いていた。               
挙手した人を考察すると、次の通りのように思えた。
・ほとんどが後期高齢者
・子どもの世話にならず、自立している(経済的にも身体的にも)。
・子どもと別居している
・成人した子供の方が、家事や育児等でお世話になっている。
・イキイキとし、自分の健康(生き方)に自信を持っている。
皆さんは、この考察について、どのように思われるか?
これらと反対であれば、高齢の親が気を遣って成人した子供(または孫)になけなしのお年玉をあげるのか?親の介護をしている子供は、「こっちがお年玉を欲しい位!!」と胸中、叫ぶのか…。
成人した子供からのお年玉は、「元気でいてくれてありがとう。いつまでも元気でいてね」と敬意を込めたご褒美のように思えた。
また今年で1つ年を取るわけだが、今年より1人でも多くの高齢者が「子供からお年玉をもらったよ」と自慢げに笑顔で言えるような、明るい元気な高齢社会をめざし、健康づくりの支援をしていきたいと思う。
3月の高齢者・低体力者の運動指導者フォーラム「元気kai!」で招へいする杉山先生(東京)と竹島先生(福岡)は、そのような元気高齢者を創るオリジナルな情報をたくさんお持ちの講師である。私自身も今からお二人の講座を受講できるのを楽しみにしている。

2014.2

親しい人が最近、ガンになった。


親しい人が最近、ガンになった。
生き方の手本にしたい位の素敵な気性で、かつ専門とされる職業においても優秀な人材である。
そのような方が落胆し平常心を失う、無理もない話である。きっと毎日を人の倍、きちんと暮らしてきた来た人だったと思う。“なんで私が?”と思うであろう。
どのようなお見舞いをすれば、少しでも力になれるだろうか…と考えた末に、2冊の本をお渡しすることにした。1冊は病中・病後のセルフケア的な本、そしてもう1冊はガン疾患の解説と治療方針等に関する本である。
本をお渡しし、しばらくしてまたお見舞いに行くと、「何度も本を読みました。大事なところは線を引き、書き写して暗記しています。今まで病気のことが怖くて怖くて仕方がなかったけれど、自分の病気について知ること(学ぶこと)で怖くなくなりました。私にとって、本当に必要なものを頂戴してありがとう」とおっしゃった。
知らないことは不安と恐怖、時に怒りをも生む。知ること・学ぶこと、つまり自分が成長することは、これらを軽減してくれる。知ること・学ぶことを惜しまない賢者は、余裕があり、だから人に常に優しいのはないかと、自分が大変な時もその素敵な人は、またひとつ、私に大切なことを気付かせてくれた。

3月に元気kai! in 東京・福岡が開催される。知ること・学ぶことで、さらに日々の仕事をやりがいあるものにしたい。

2014.3

「チェアエクササイズ~動きの発現機序~」


「チェアエクササイズ~動きの発現機序~」               
パラリンピックが始まった。チェアスキーチームは「世界最強」と言われ、メダルを独占している。心ときめくのが、チェアスキーの構造である。まさしく座位の動きの発現機序が可視化できる。チェアエクササイズの運動力学的視点として、うってつけの教材である。
座部の下にあるバネに荷重し、その反力でスキーを滑走させる。抜重時のコントロール不足は、ボールのようにスキーが跳ね上がる。また荷重の角度や度合いによってはスピード制御が困難となり、転倒につながる。
チェアエクササイズ動作の発現機序の理解が乏しい場合、座面反力を生成するプログラム構成やデモが実現できない。重力を上手に使うことで、上下動が出現し、効率よく動ける。自分の力ではなく、外の力を使うことで、楽に長時間動けるのである。
そのためには、体幹、つまり坐骨(骨盤の位置)、脊柱・骨盤リズムをどのように使うかがポイントである。
単なる大筋群を使った有酸素運動とするのか、動きの質を高め日常生活の転化をねらったチェアエクササイズにするのか。体力が低い高齢者・低体力者は、なるべく短時間に簡単で、多様的な効果が期待できる、つまり一石二鳥のエクササイズが理想である。
チェアエクササイズ指導には、座位の専門的知識が必要なことは言うまでもない。

2014.5

NPO法人設立10周年記念誌が完成した。暇をみては、眺めてニヤニヤしている。


NPO法人設立10周年記念誌が完成した。暇をみては、眺めてニヤニヤしている。協会らしい記念誌になり、満足している。
ゼロベースから何かをつくるということは、プレッシャーを感じないと言うとウソになる。協会活動では幾度となく、このような壁に挑んできたと思う。毎回、“いつになったら、ラクできんねやろー”と胸中叫ぶが、完成した暁には、苦労した甲斐があったと思う。この達成感は、苦労の大きさに比例する。今回も準備段階で幾度かキレ・怒り・嘆き・笑いしただけあって達成感は大きい(笑、スタッフ(汗))。
スタッフKとTが企画案を出した『E.E.O.A. Archives』のページは、感慨深いものがある。常日頃は、前ばかりをみて走っているが、このように自分たちの軌跡をまとめると、気づくことがたくさんある。古い歴史がまた新しい目標へと導いてくれる。
NPO法人を設立して、本当に良かったと思う。1人では到底、やり切れないことをスタッフとの協同作業、そして協会の存在があってこそ、やり切ることができる。
やることは簡単だが、やりっぱなしはいけない。定期的に振り返り、それらを評価することは、1番の学習であり、成長の近道と思う。現場指導も同じである。毎回の教室をだらだらやるのではなく、発表会や体力測定などを定期的に実施し評価する。その評価には必ず気づきがあり、自分をもう少し賢くしてくれるはずである。
記念誌の「ええねんプロジェクト」の表紙、顧問・特別講師の会員へ向けてのコメント、Archives、裏表紙のスタッフ紹介、そして私からのメッセージ。どのページも手に取って下さる方を主体に、感謝の気持ちを込めて作成したつもりである。会員の方はもちろんのこと、会員外の方も機会があれば、ぜひご高覧いただきたい。表紙と『元気の芽』からは元気補給できるかも…(会員の方は会報春号と伴に発送済)。

※NPO法人設立10周年記念誌(元気の芽付き)¥420をご希望の方は、「記念誌希望」と次の4項目(①氏名②住所③電話④e-mail)を記入の上、次までお申込みください。
料金は記念誌と伴に郵貯振込用紙が同封されますので、後日お振込みください。振込手数料¥80はご負担ください。
<NPO法人 1億人元気運動協会>
TEL:0798-36-3729 FAX:0798-36-3929 e-mail: info@genki-kyokai.com

2014.7

「ストレスは、人生の味方?」


「ストレスは、人生の味方?」

あなたは、ストレスを感じやすい人ですか?それとも感じにくい人ですか?
生きていたら、多かれ少なかれストレスがあると思うのですが、ストレスが溜まってくると自分の健康が阻害されそうで、ますます気が滅入りますよね。そんな方に朗報です。

ストレスによって「オキシトシン」が分泌されるそうです。
アドレナリンと同様、オキシトシンもストレスホルモンだったのです。妊娠中の子宮収縮もオキシトシンが関係していますが、出産後に赤ちゃんにおっぱいを吸われる刺激で分泌されるのもこのオキシトシンです。おっぱいを赤ちゃんにあげることにより、産後の子宮がどんどん回復されるというわけです。その他、母性愛や信頼に関係するホルモンでもあり、赤ちゃんのことがとてもかわいく思えるのもオキシトシンの影響だそうです。

ストレスを受けるとこのホルモンが分泌され、人は自然に他者との触れ合いを求めるようになるそうです。他人に親切にすることによってもこのホルモンは分泌され幸福感を高めます。また、心臓の心筋の炎症を抑え、心臓を守ってくれるそうです。
なるほど。ストレスを受けた時、無性に誰かに会いたくなったり聞いてほしかったりしますよね。

以上はEテレ「スーパープレゼンテーション“ストレスと上手に付き合う方法”」で、ケリー・マクゴニガルさん(スタンフォード大学 健康心理学者)の講演の一部です。
彼女は最後にこのようなことを言ったように記憶しています。「私はいつもうまくいく自信がある。なぜなら、ストレスがあっても身体には、良質のホルモンが分泌されているのだから」。
ストレスを受けた時、どのように考えどう対処するかで ストレスの影響がむしろ良い方にも変えられるという、素晴らしい講演でした。

著書に「スタンフォードの自分を変える教室 ケリー・マクゴニガル著」があります。何年か前に、つんどく図書の1冊になっていた本ですが、また読書の再開をしています(笑)。

2014.8

~口腔機能は生きる基本~


~口腔機能は生きる基本~

“またずり落ちてる…”。食事量も進んでいない。ここ最近は、入院中の父の朝食時に駆け付ける。
“あかん”と思うと同時にベッドの背上げを戻して仰臥位の状態にする。ベッド上にあがって、頭側に仁王立ちになり、父の脇をもって「息を吸って吐いて~」とタイミングを計りベッドの頭側に10cm程度身体を移動させる(このやり方が私は一番、腰に来ない)。
父も「せーの」と一緒に声を出す。父はもちろん寝たままであるが、声を出して身体を引き上げているのだろう。

“姿勢を正すと食欲が上がる”。ベッドの背上げがポイントだ。なるべく坐骨が立つようにし(立たないが、その人なりに一番立った状態にする)、仙骨部分が背もたれに着くようにする。背上げをして、明らかに“ずり落ちてる”、つまり骨盤が後傾し背骨が丸まっている状態では、食べにくいのである。もう一度、ベッドをフラットに戻し、冒頭に述べた手順を踏み、姿勢を正すことで、各段、食欲が改善する。

介護用電動ベッドには、モーターが1・2・3とあるが、いくら膝上げがあっても背上げの状態で、背もたれと仙骨部分に空きがあると(骨盤がずり落ちてると)、利用者はしんどい姿勢になると思う。

看護師や介護福祉職業従事者は、配膳時、食べさせることが必死で、利用者の姿勢を正す余裕はないと思われる。電動ベッドの底板の部分がキャタピラーのように移動して、利用者の仰臥位を背上げのためのベストポジションに移動させることができれば…なんて思う。

9月21日(日)元気kai!イン兵庫が神戸市立中央体育館で開催される。今年は~フェイスレジスタンスエクササイズ~で芝﨑美幸氏を招へいする。念願の口腔機能向上の講座だ。そして~高齢者の筋力トレーニング~で、スロトレ考案者『東大の石井直方先生』の筋トレの師匠である宮畑豊氏。宮畑氏は演歌CDも発売されているユニークなキャラクターだ。そして私は、元気応援~元気高齢者対象の介護予防教室の内容を網羅する。
3講座とも、すぐに活用できる内容を提供するよう努める。元気kai!は、ひとりでも気軽に参加できる空間づくりをしている。また志同じ者が集うので、“参加することで、元気になる!!”と言ったコメントを毎年、頂戴する。

食べさせること以前に、『食べたくなる姿勢づくり』が食欲に大きく影響すると思う。口腔機能は生きる基本と考えている。
口腔機能と姿勢、姿勢と筋トレ、チェアエクササイズと介護予防について、今年の元気kai!で学習していただければ幸いである。
*私事で恐縮ですが、父は7月末に事故に遭い、現在入院中ですが、日々、復調しています。ご心配なく!!

2014.11

~真の介護予防とは?~


~真の介護予防とは?~
「虫歯の成り立ちを理解させ、患者の意識を変えてこそ、予防は成功する」。プロフェッショナル~仕事の流儀~“ぶれない志、革命の歯科医療”(NHK,2014年10月17日放送)の歯科医 熊谷 崇氏の考えにテレビの前で思わず拍手をした。私の立場に置き換えれば、「老年症候群の成り立ちを理解させ、参加者の意識を変えてこそ、介護予報は成功する」となる。
虫歯を治療することは簡単だが、根治には至っていないのである。自分の口腔の状態・タイプを知り、意識することで予防になり今後、虫歯を発生させない。すぐに治療をしないで、虫歯になりやすいかどうか、口腔の写真や虫歯との関係性が大きい唾液検査などと、ありとあらゆる手を使って、地道な『患者教育』をしていく。
患者にしては、虫歯にみまわれ一刻も早く治療してほしいのに、すぐには治療してもらえない。基本的な口腔ケア(歯磨き・デンタルフロス等)の自立ができ、口腔の衛生状態が改善されてから、やっと治療が開始される。歯科医療をはじめた35年前、熊谷氏のやり方はときに患者に罵倒されることさえあった。熊谷氏は、どんなに苦境に立たされても考え方を曲げずに貫いたことで、次第に患者の信頼を勝ち得、今の実績を積み重ねてきた。

運動を教えることは簡単である。一過性のノリや笑いで進行することも難しくないであろう。介護予防プロの役割は、運動を自主的に実施してもらうことであり、『運動の習慣化』までを支援することである。
そのためには参加者自身が運動の必要性に覚醒し、主体的に取り組んでもらうことである。運動指導者は、『教えること』よりも、参加者が覚醒するに至るまで、傾聴・承認・提案・支援ができることである。
低体力者・高齢者をはじめとする一般の人々に老年症候群の成り立ち、今の自分の老化の兆候を知ること、病気を怖がるのではなく病気を寄せつけない身体づくり、つまり予防の重要性を印象深くわかりやすくプレゼンテーションできるスキル、我々はフィットネス・インストラクターでなく『介護予防プロ』であるという自覚、そして日本を生涯現役の元気高齢者でいっぱいにするといった信念が必要ではないか。熊谷氏の言葉を借り、「真の患者(参加者)利益とは何か」を胸に、日々参加者、そしてメールメンバーをはじめとする同志と向き合う覚悟でいる。

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